第11章 xxx 10.指名予約
その後、彼の宣言通りに幾度となく果てさせられた私は、心身ともにグッタリしていた。ちょっと痩せた気すらする。
変なところで闘志というか、負けん気に火が付いてしまって、どうにかここまで耐えてきたのだけれど。
「へーなかなかやるじゃん」
まだまだ全然元気な堅治は許してくれそうにない。
「だっ……て、堅治も、ちゃんと出してほしい、……からっ」
「はは、そんな息上がってんのにちゃんと抜けんのかよ」
セックスはスポーツだ。
堅治の場合は、とくに。
400mトラックを全力疾走したような気怠さに潰されて、ベッドに突っ伏す。
すると、おもむろにタイマーを確認した堅治が、「俺は延長いれてもいいけど」とからかうような声を出した。
「……勘弁してくださいマイマスター」
「おい。お前それでも風俗嬢かよ」
「身体の安息が最優先、デス」
もそもそと喋る私の頭をくしゃっと撫でて、彼は、白い喉を見せて笑う。
「仕方ないなー。んじゃ、かわいいペットに免じて今日は勘弁してやろう」
そう言うや否や、私の口に自らを突っこんだ堅治。
そのまま彼の腰が前後に揺れて、ありていに言えば、イマラチオがはじまった。
堅治が果てるまでの間、私はひどい息苦しさと戦うことになるんだけど──
「(……彼にとっての勘弁、とは)」
私にはきっと一生わかりません。