第19章 grand finale √parallel
「えええーーー!!?」
響き渡るのは木兎の絶叫だった。
「木兎さん、落ちついて」
取り乱す先輩をなだめる赤葦。
「及川、あいつプロ入りかァ」
黒尾はいたって冷静である。
「……徹くんって名前だったんだ」
カオリは過去に想いを馳せていた。
一方、その頃、東北宮城では。
「はうあっ! 今、誰か、すんごく可愛い女の子が俺を見つめてた気がする!」
「んなワケねえだろボゲ川」
「痛い! 叩かないでよ岩ちゃん!」
これは、とある宇宙、とある星の、とある国で起こった不思議なおはなし。嘘のようで本当のような、不確かな世界の物語。
人生は選択の連続だ。
歩む道を一本変えただけで運命は変わってしまう。その先の未来は、誰にも知り得ることはできない。
無数に存在する選択肢。
無数に存在する、結末。
これは、とある不思議な物語。無数に存在する平行世界のなかの、ひとつの可能性。
あなたが望むのは、
──どんな世界ですか。
【Moulin Rouge】___fin.