第11章 xxx 10.指名予約
ぬる、ぬるっ、堅治の尖端が会陰を這う。
彼が本番禁止を理解してないはずもないし、その行為は、決して挿入する気のない戯れだ。
散々彼によって焦らされたそこが、どうしようもなく、欲しがる。堅治自身に愛して欲しくて、切なげに腰が動いてしまう。
それを、彼は心底楽しんでいるのだ。
「だーめ、……あげない」
私が腰を押しだすと、堅治は反対に引く。涙目で彼を見上げても、満足したような笑みが返ってくるだけ。
堅治の亀頭が蕾をこすって、さらに煽られる。欲しくてたまらなくなる。
「……っねえ、堅治」
「んー、なあに?」
「……なんでもない」
挿れて。だなんて。
ヘルス嬢として言ってはいけない一言をどうにか呑みこんだ。
ほら、また、堅治がすごく楽しそうな顔をする。
「偉いね。よく我慢したじゃん」
彼が私の髪を一房手にとって、毛先にキス。はらりと落ちた髪が目にかかって視界がぼやけた、その刹那のできごとだった。
「ん、ふ……ぅっ」
塞がれたのは吐息。甘い口付け。
乱暴に奪われて、掻き乱される。
焦らされたあとのキスがこんなに気持ちいいなんて、私は、彼に出会うまで知らなかった。