第11章 xxx 10.指名予約
手のひらから溢れんばかりのローションを、たっぷりと堅治の双丘に塗り広げる。ヒクヒクと快感を待つそこの周囲はちょっと多めに、丁寧に。
それからオプション用の道具棚に向かって、前立腺プレイ用の指サックを取りだした。
コンドームよりも幾分厚く、堅めなサックを人差し指に装着して、石鹸で手を洗う。
これで準備は完了。
さあ、挿れますよ。
「………っん、ぁ」
つぷ、と滑りこんだ刺激を、堅治が甘い声で受け止めた。
ハマってるというだけあって、彼の後孔はさも当たり前かのように、私の指を咥えこんでしまう。
仕事熱心な風俗嬢は総じて爪が短い。
それは、まさしく彼のような客の相手をするためなのだが、たまにはネイルだって楽しみたいものである。
「きもちいい……?」
前立腺プレイはおろか、実は男性のうしろを触るのも挿れるのも初めてだ。
自信なさげに聞くと、堅治は「うーん……」と考える仕草をして、指を変えるように言いつけた。
「マリンちゃんの人差し指じゃ、微妙に届かないんだよね……やっぱ女の子の指は短いなァ」
最後のひとことは、全力で聞かなかったことにしようと思う。