第11章 xxx 10.指名予約
不思議と痛くはない。けど。
なんともいえない異物感と違和感が、快感とは別の意味で背筋をゾクゾクさせる。
眼球を舐められたのは初めてだ。
話には聞いたことあったけど、本当に目フェチっているんだ……世界は広い。
「嫌がらないんだ? いいね……俺、物怖じしない女の子って大好きだよ。服従させ甲斐があってさ」
なんですと。え、服従?
疑問や不安に思う暇もなく背中がベッドにぶつかった。のしかかってくる重みは、彼の下半身。
堅治の太股にがっちりホールドされて、所謂、マウントポジションをとられてしまう。
身動きがとれない。
なに、この圧迫感。
「さーて、どうやって泣かそうかな」
世にも恐ろしいことを言ってのけた堅治は、着ていたニットを脱ぎ捨てて、目にかかった前髪を掻き上げた。
パチッ
静電気の音が聞こえる。
それがゴングとなって、俺様何様堅治様の第一ラウンドが始まった。否、始まってしまった。
拝啓、お空にいるおとうさん。
娘は今日、なんか色々なものを、失うかもしれません。