• テキストサイズ

(R18) Moulin Rouge (HQ)

第11章 xxx 10.指名予約



 そのあと、無事に研磨を自宅マンションに(冗談抜きでめちゃくちゃ高級だった)送り届けた黒尾と私は、ふたりで来た道を引き返した。

 すっかりゴミが回収された朝の一番街が、やけに静かだったことをよく覚えてる。

『乗れ。特別に送ってやるよ』

 ぶっきらぼうに言いながらヘルメットを投げてきた黒尾。

 そんな彼を、一度でも、一秒でも、かっこいいな大人だな、なんて思ってしまった私が間違っていた。

『は? ちょ、何勝手に上がっ』

『あー俺今日非番だからお構いなく』

『お構うわ!非番なら尚更帰れ!』

 必死の抵抗虚しく家に転がりこまれた私。勝手に見始めたDVD(しかもジ◯リ)に感動して涙目になってる黒尾。私のお気に入りのクッションまで抱っこしくさって全く。

 ほんと、一体何なんだあの人。
 送り狼よりも余程たちが悪い。

「(でも……憎めないんだよなあ)」

 せめてもの嫌がらせにアッツアツのお風呂を沸かしながら、私はひとり、バスルームでため息をつくのだった。

/ 254ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp