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(R18) Moulin Rouge (HQ)

第3章 xxx 02.及川徹



「もう聞いてよ新入りちゃん!
それでね、そのお客さんがね!」

 約一時間この調子である。
 なにやら光太郎と顔見知りらしい「トオルくん」こと、及川徹は、店に来るなりマシンガンのように喋り続けていた。

「ね! ヒドイでしょ!?」

「はあ……そうですね」

「それで大事なのはここから!」

「(まだ続くの?!)」

 大変見目お麗しい及川徹が、なぜ、ついさっき入店したばかりの新人嬢の部屋に通されたのか。それは、それがこの店の【暗黙の了解】だからである。

「やだまた来てんのアイツ」
「新人の子かわいそー……」
「ま、でもうちら的にはラッキー」

「「「もう朝まで及川の愚痴
聞かなくていいんだもんね」」」

 先輩がたの大きすぎる世間話に、白目を向きそうになる私。尚も自分の働いている店について愚痴りつづける彼、及川徹。

 長い(長すぎる)夜は、まだ始まったばかりなのであった。
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