第2章 xxx 01.研修
「お前らー研修終わったかー?」
ノックもせずに入ってきたのはオーナーだった。
どこで買ったんだか知らないけど、ゴッリゴリのアルマーニに身を包んでサングラスをかけている。
「俺ちょいと野暮用で出るわ。
もう客来てっから、ちゃんと
真面目に働けよ。とくに光太郎」
「ッス! 働きマス!」
出しっぱなしの下半身を蒸したタオルで拭き取りながら、光太郎は元気に敬礼してみせた。
見られるのとか、いや、気にしないよね。うん。ここはそういうところなんだ。
「(……慣れればいける、か)」
おめかし()をして去っていくオーナーを見送って、さっきとは違う部屋で客を待つ。
「おー!トオルくんいらっしゃーい!」
光太郎の人懐こい声が遠くで聞こえた。
xxx 01.研修___fin.