第2章 xxx 01.研修
「ん、っカオリ、もっと」
最初はまるで快感などないように話していた光太郎が、艶のある声を出しはじめた。それがなんとなく嬉しくて、私はさらに舌や手の動きを早めていく。
じゅぷっ……と音が鳴って、陰茎が私の口内に吸いとられると、彼は深く甘い息を吐いた。
「ハ、アッ……も、出る」
光太郎は苦しげに言って、果てる寸前で自身を引き抜く。痙攣するそれから迸った液が、付けまつげに当たってトロリと垂れた。
「う、わ……ちょっと」
「はいそんな嫌な顔しなーい。うちは顔射もオプション料とるんだから、お金貰った分サービスしないと」
そんなんじゃ指名つかないぞ?
いたって真面目な顔をして言うものだから、どうにも悔しくて「あーんお兄さんの熱ーい」って棒読みで言い返した。
「演技ヘタか!」
「悪かったわね」
「……あー、まあいいや。
テクはまあまあだったし」
カオリはツンデレってことで売り出してくか!とか、本気なんだか冗談なんだか。ともかく研修は合格らしい私に、光太郎は軽くキスをした。
「ちなみに俺でよければ
いつでも練習付き合うヨ」
ちなみにウインクのおまけ付き。
オーナーにバレたら間違いなく東京湾だわこの人。そんなことをぼんやりと考えながら、夜が更けていく。