• テキストサイズ

(R18) Moulin Rouge (HQ)

第9章 xxx 08.遭遇



 ラブホ街を抜けて裏通りを左へ。
 全力疾走で中心街を目指す私たちを、数人の男が追う。

「待てやコラー!」
「止まりなさい!」

 だんだん近くなる男たちの声。
 走りながら首だけで後ろを振り向くと、暗色の作業服のような影が見える。あれ、あの服……どっかで見たことがあるような。

「ねえ!あなた、なんで追われてるの!」

 私の腕をひく背中に問いかけた。
 走っているせいで声が揺れ、自然と声のボリュームが上がる。

「無事に着いたら話す」

 前を向いたまま言うものだから、全然聞き取れなくて。「え?なに?」そう聞き返そうとした私の視界に、突然、眩しい光が飛びこんできた。

 直後にバイクのエンジン音が聞こえて、光の正体がヘッドライトだと理解する。理解したのだけれど。




「今日という今日は逃がさねえぞ研磨ァァァ!!」




「げっ……クロ」

 これまでより些か大きい声で、お人形のような「研磨」が言った。

 ここは路地裏の一本道。
 前からはバイクに乗った「クロ」が迫ってるし、後ろからは二人の男が追ってくる。

 立ち止まって観念するしかない。そう諦めた私の視力が、今度は、はっきりと男たちの服装をとらえた。

「ちょっ……え、マジ……?」

 あれって、──警察官の制服じゃん。










xxx 08.遭遇___fin.
/ 254ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp