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(R18) Moulin Rouge (HQ)

第8章 xxx 07.恋愛禁止



『うだうだ喋ってる暇があんなら働きやがれボケェェェ!!』

『ふぎゃっ!』
『いてえっ!』

 オーナーのチョップをもろに食らった私は、罰として、店で使うローションを買いにいく羽目になった。罰というよりセクハラに近い。

 ちなみに光太郎は往復ビンタをお見舞いされて、鼻血を出しながらシーツ(客の使用済み)を洗濯中である。

「うう……マジで痛い」

 冬が迫る寒空の下。
 まだジンジンと痛む頭頂部をさすりつつ、国道に面した激安の殿堂をめざす。

 特徴のある店内ソングが聞こえればそこは、この町の入り口だ。有名なアーチ型の看板にネオンライン。メインとなる通りでは、同業者が熾烈なキャッチ争いをくり広げている。


「お姉さん!そこの綺麗な貴女!」
「ちょっとお時間よろしいスか?」


 時刻はシンデレラタイム。
 この町の温度がもっとも上昇する時間帯。

 道行く人々の間をすり抜け歩く、私の、店専用のベンチコート。店名が刺繍されたピンクの肩を叩いたのは──

「カオリちゃん発見☆」

 クラブキャッスルNo.1ホスト、及川徹だった。










xxx 07.恋愛(開始)___fin.
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