第8章 xxx 07.恋愛禁止
感情を取り払ってしまえばあとは簡単だった。
光太郎に教わったとおりにお客さんを気持ちよくして、満足してもらって、見送るだけ。だから私は岩泉さんにキスをする。この身体で奉仕する。これ以上踏みこんじゃいけない。
私には、この町しか居場所がないのだから。
「……っおい、カオリ」
再び岩泉さんを押したおして馬乗りになる。怪訝そうな顔で見上げられるけど、笑顔を返してごまかす。
ちょっと渇いてしまったそこを彼のモノに合わせると、岩泉さんが一瞬眉根を寄せた。
前後に腰を揺らす。目線は彼の首あたりに落として。
「ちょっと、待て、……って」
「待ちません。……一緒に
きもちよくなりましょう?」
「っあ、カオリ……やめ、っ」
身体はバカみたいに正直だ。
岩泉さんの先端にいいところを擦られると、私はすぐにその火照りを取り戻す。
ぐちゅぐちゅと音がなって、互いの性器の感触を感じて。お腹の奥のほうがキュッと締まる。きもちいい。それだけでいいんだ。
キモチなんかいらない。