第7章 xxx 06.本番禁止
そろそろかな。
私は頃合いをみてフェラをやめ、唇についた液体をぺろりと舐めとった。急におあずけされた岩泉さんの視線。何かを言いたげな顔でこっちを見つめてる。
やめないで。もっとして。
それが聞きたいの、ほら、言って?
「………っ」
岩泉さんは何も言わない。ちょっと悔しそうに眉根を寄せて、拗ねたような顔をする。
直後だった。
急に、彼の瞳に挑戦的な色が宿って、部屋の景色が逆さまになる。押し倒されたと気付いたときには、もう組み敷かれたあとだった。
「……岩泉さんのターン?」
「ゲームか。形勢逆転と言え」
岩泉さんがはだけたままになっていたワイシャツの袖を噛む。そのまま腕を引き抜いて。ちょっと乱暴に投げ捨てて。
最後にタンクトップを脱いだ彼は、クイ、と首を傾げて言い放った。
「もう遠慮しねえかんな」
あれ、もしかして。
もしかしなくても、岩泉さんの変なスイッチを、入れてしまった。