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(R18) Moulin Rouge (HQ)

第7章 xxx 06.本番禁止



 部屋を満たすのは沈黙だった。

 シン、と静まりかえる室内に、フロアで流れているトランスの重低音だけが流れこんでくる。

「岩泉さん……?」

 俯いている彼を覗きこんだ。
 その頬はまたちょっと赤くなっているけど、表情までは伺えない。

 ふと、岩泉さんが私を見る。手首を掴む彼の手に、いっそう力が篭もった。


「仕事、は……部下に任せてきたんで、大丈夫、です……それに、」

「……?」

「途中で帰るくらいなら、あいつら殴り飛ばしてでも逃げてた」


 見つめられる。まっすぐに。
 その瞳に捕まって、目を逸らすことができなかった。

「初めてここで見たときから、その、可愛いな、と……思ってたんで」

「そ、うだっ……たんですか」

 私、今どんな顔してるんだろう。
 たぶん彼に負けないくらい赤くなってる。こんなことで今日の業務が務まるんだろうか。

 予約コースは60分+α
 延長をいれても余裕で足りる金額を二人組が置いていったらしい。

 深く大きく息を吸って、深呼吸。
 さあ、お仕事をはじめましょう。

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