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(R18) Moulin Rouge (HQ)

第7章 xxx 06.本番禁止



『いいかカオリ!絶対本番禁止だぞ!』

「わかってるってば……もう切るよ」

 再三にわたって光太郎に釘を刺された私は、溜息がちに電話の受話器を置いた。

 振り向くとそこには岩泉さん。
 キャッスルの二人組──貴大と一静って呼ばれてた彼らだ、に羽交い締めにされて来店したらしい。ほぼ強制連行である。

「本当バカばっかりでスンマセン……」

「いえ、そんな……ご苦労さまです」

 隣に座って笑いかけると、今日何度目か分からない「スンマセン」がまたひとつ。

 ちょっと顔の赤みが引いてきたかな。
 落ちつきを取り戻しつつある岩泉さんは、左腕をたくしあげて腕時計を確認した。

 仕事のことを気にしているのだろうか。たぶん、キャッスルも今頃オープン作業をしてるはず。

「あの、お仕事戻られますか……?」

 そろりと聞いてみた。
 岩泉さんがこちらを向く。今日、初めて彼と目が合った。

「いや、う、……えっと」

「お代は結構です……ので、
今店の者に連絡いれますね」

 カウンターに電話をかけようと立ちあがる。立ちあがろうとした。けれど、それは叶わなかった。

 左手首を掴まれる感覚。
 グイ、と後方に引っぱられて、ベッドに逆戻りになる。

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