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(R18) Moulin Rouge (HQ)

第6章 xxx 05.不夜城



 店主さんのつくる卵焼きは懐かしい味がした。なにが、って聞かれると、私にもよく分からないのだけれど。

「本当にスンマセンでした。
俺からもよく言っておくんで」

「いえ、……あの、
もう大丈夫ですから
頭を上げてください」

 満腹になった私はと言うと、会計を済ませて外に出たところで、岩泉さんと立話をしていた。あとを追ってきた彼に呼び止められて、今に至る。

「従業員の粗相は俺の責任ですから」

「そ、粗相って……そんな」

 ものすごく真面目な人なのだろう。
 尚も謝罪する岩泉さんは、ほぼ直角で頭を下げ続けている。

 ふと、彼の髪にキラリと光るものを見つけた。1センチ四方のそれは銀色で、クラブのショーなどで使う紙吹雪のように見える。

 おもむろに手を伸ばして、小さなビニール紙をつまみあげた。

「!? っな、何すか!?」

「えっ、あ、これ……髪についてたので。勝手に触っちゃってごめんなさい」

「いっ……いえ、ありがとう、ございます。スンマセン」

 ぎこちない動きで謝る岩泉さんは、顔を真っ赤にして口元を押さえている。

 そんな私たちのやり取りを見ていたのは、光太郎だけではなかった訳で──

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