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(R18) Moulin Rouge (HQ)

第6章 xxx 05.不夜城



「営業なんかかけてないもーん。ちょっと世間話してただけだよ。ねー、カオリちゃん」

 ちゃっかり私の本名を覚えたらしい徹くん。両手で頬杖をついて、渾身の笑顔で微笑みかけてくる。

 その姿はまるで王子さま。
 実にキャッスルというクラブがよく似合うホストである。どっちかと言うと大王様って感じだけど。

「貴大!一静!お前らも黙って見てんじゃねえ!クズ川が迷惑行為したら止めろっていつも言ってんだろうが!」

「えーだってさー」
「止めないほうが面白いもんよ」
「及川さんもそう思いまーす」

「テメェら全員正座しろ!今すぐ!!」

 岩泉さん、血管切れちゃいそう。
 苦労してるんだなあ……だなんて、他人ごとのように思ってみたりして。


「ギャーギャーうっせえんだよ!キャッスルもまとめて出禁にすんぞ!?」


 ほら、また怒られた。
 店主さんからフライパンが飛んでくる前に静かにするべきである。というか私は一刻も早くお味噌汁にありつきたい。まだかな、卵焼き定食。

 そんなことを考えていると、再び硝子戸が開いて、新たにお客さんがやってきた。

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