第6章 xxx 05.不夜城
「オーラスだとォォォ!?」
「ちょっと……声、大きい」
ようやく一日の勤務をすべて終えた私は、光太郎に連れられて小さな食堂に来ていた。
眠らぬ町の夜明けである。
仕事帰りの同業者で賑わうここ【坂ノ下食堂】は、日の出とともに営業を開始するらしい。私たち夜に従事する人間のためにと、店主が計らってくれたんだとか。
「あの京治くんが、オープンからラストまでブッ通し……嘘だろマジか絶倫かよアイツ!!」
ダンッと机に突っ伏す光太郎。
そこはかとなく、うるさい。
早朝でナチュラルハイなのは分かるけど、頭に響くので静かにしてほしいものである。
「オイ!うっせーぞピンクオウル!」
ほら、怒られた。
厨房から一喝したのは他でもなく、坂ノ下食堂の店主さんだ。
「繋心くーん……店の名前で
俺たちを呼ぶクセやめてよお」
「黙れPink Owl」
「発音いいと尚更ヤダ!!」
そんなやり取りをしている時だった。
ガラリと硝子戸が開いて、どやどやと派手な一団が入ってくる。
「あ……徹くんだ」
その中心に見えたのは、相変わらずお美しい及川徹の姿だった。