• テキストサイズ

(R18) Moulin Rouge (HQ)

第5章 xxx 04.金融屋



「お前は虐め甲斐があるね」

 瞼から眦、頬をつたって、唇に行きついた彼の指。
 親指だったそれが人差し指に変わって、すっかりグロスが落ちてしまったそこを左右になぞられる。

 下唇を押しさげられる感覚に肩が跳ね、次の瞬間にはもう、彼の指に口内を犯されていた。

「ん、む……っ」

 キスで充分にほぐされた中を、骨張った指が這う。頬の裏を軽く引っかかれて、奥まで咥えろと言わんばかりに差しこまれる。

 上下の唇を閉じて弱く吸うと、彼は満足げに目を細めて、笑った。

 色味の薄い唇だけの笑顔。
 ゆっくりと、妖しく笑う。

「カオリ」

 語尾に疑問符をつけたように名前を呼ばれて、彼を見た。


「次はラストまでお前のこと買うわ」


 なんともこの町の男らしい。潔い告白。この人にこんなことを言われたら、女なら誰でも淡い期待を寄せてしまう。

 けど、所詮は風俗店。色恋さえも金で売買する箱のなかでの出来事。

 こんなの全部、戯れだ。

「……ご予約お待ちしてます」

 震える声で、精一杯強がってみせた。










xxx 04.金融屋___fin.
/ 254ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp