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(R18) Moulin Rouge (HQ)

第5章 xxx 04.金融屋



 落ちついた色の間接照明が、彼の涼やかな目元を照らす。近くで見ると意外にまつげが長い。

 綺麗、だと思った。
 大人の男性にそんなこと言ったら怒られちゃうかな。

「俺の顔に何かついてる?」

「い、え……っなにも、」

「ああ……もしかして
見とれちゃった、とか」

「………!」

 この人、分かっててからかってるんだ。
 悔しさと恥ずかしさが同時に込みあげて、ボッと顔から火が出たような錯覚。いたずらをする子供のような、それでいて艶っぽい熱視線で見つめられて、なんにも言葉が出てこない。

「……イジワル」

「カオリが可愛い反応するから」

「私のせいですか」

 ちょっと拗ねたように言ったら、「そうだよ」と小首を傾げられてしまった。完全にアカアシさんのペースにはまってる。たぶん、もう、抜け出せない。

 むくれた表情とは裏腹に、心臓はドキドキとうるさく拍動している。再度、彼の指が伸びてきて、今度は優しく瞼を撫でられた。

 親指の腹でそっと、よれてしまったアイシャドウを拭われる。彼に触れられたところが、どうしようもなく熱い。

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