第18章 xxx ending √3:TETSURO
押し倒されたベッドの上。
黒尾は私に跨がるようにして、首元に唇を寄せてくる。
左右の鎖骨の間。
少し凹んだ場所。
そこに軽くリップ音を立てるキス。
直後、違和感を覚えて視線を下ろす。するとそこには、私のパーカーのジッパーを、咥える彼。
「……っ! 口、で……!?」
思わず眼下の光景をそのまま言葉にしてしまった。むす、と眉根を寄せる黒尾。
野暮なこと言ってんじゃねえよ。
彼の目がそう語ってる気がする。
気圧されて、押し黙って、彼にされるがまま。徐々におろされていくチャック。鳩尾、おへそ、恥骨のうえ。黒尾の唇が滑り降りていく。
なんて、扇情的な眺め。
下腹部のあたりにある彼の頭をそっと撫でた。柔らかいのに頑固な髪。漆黒に染まるそれを梳いて、毛先をいじって、地肌に指を滑らせる。
「ん、それ好き……もっと撫でて」
喉を鳴らす彼。心地良さそう。
パーカーの下に着ていたTシャツの裾を、黒尾の歯列が捕らえた。今度は逆に上方へと捲りあげられていく。
胸にある膨らみで一度引っかかって、焦れったそうに、黒尾が切れ長の目を細めた。
グイ、と押しあげられる感覚。
服に堰きとめられていた乳房が躍りでる。途端に火照る頬。なだらかな山の頂は、すでに恥ずかしい突起をつくってしまっている。
「黒、だ……俺とおなじ色」
ブラのフロントホックに歯を立てて、彼が笑った。嬉しそうな顔。今日の下着が黒なのは偶然だけど、でも、よかった。
黒尾が喜んでくれるなら何でもいい。毎日、黒だっていいよ。
あなたと、同じ色。
それだけで嬉しい。