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(R18) Moulin Rouge (HQ)

第17章  xxx ending √2:KEIJI



 私欲を満たすためじゃない。
 初めて俺に、全てを捧げてくれた人。それがカオリだった。

 仕事の延長でもいい。たとえその言葉がリップサービスだとしても、それでもいい。俺はこの子が欲しい。何としても手に入れたい。

 そう、願った。


『京治さん、……キスしていい?』

『……っ、……京、治……ぃ』


 京治さん。彼女が俺を呼ぶ声。

 その柔らかい響きが好きだ。透きとおった高音が好き。おずおずと、控えめに開かれる唇が、好きで好きで堪らない。

 好きだよ、カオリ、お前を愛してる。


「……愛してる、……愛してた」


 目頭が痛くなる感覚。

 ツン、と鼻の奥にも痛みを感じる。喉が苦しくなって。嗚咽が漏れる。目尻から雫がこぼれる。

 ああ、そうか。俺、泣いてるんだ。






「──さよなら、カオリ」






 俺は、俺の大切なひとを、守りたい。心安らげる場所を。そこで出会った彼らを。そして、カオリ、お前を。

 こんなやり方でしか、守れないけど。
 ありがとう。さようなら。お元気で。






「……こんなに、辛いなら……出会わなければ良かった」

 でも、出会ってくれて。

「……っ、……──ありがとう」







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