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(R18) Moulin Rouge (HQ)

第17章  xxx ending √2:KEIJI



 *


 憧れた生活がそこにはあった。

 壁を作らずに接してくれる先輩。平凡な雑用をこなす毎日。上司はちょっと、かなり、粗雑で下品だけど。ああ見えて根はいい人だ。

 俺がヤクザの息子だとか。
 俺の両親が犯罪者だとか。

 彼らはそんなこと気にしないで居てくれる。一緒に笑ってくれる。俺にとって、唯一、心安らげる場所。それがピンクオウルだった。

 家業の経営悪化や、母のサイドビジネスであるハーブ売買の不調、白鳥沢組傘下への転身。諸々重なってオウルを去ることになったとき。

 オーナーは言ってくれた。

『まあ、女買うときゃウチに来い』

 サービスくらいはしてやらァ。 
 そう言って、照れ臭そうに白髪頭をかいて、笑っていた。慈愛に満ちた笑みだった。

 木兎さんなんて、まるで、自分のことのように悲しんでくれて。『よーし!送別会だ!』なんて言って、お互いベロンベロンになるまで飲み明かして。


『あかーし!また遊ぼうな!』


 屈託のない笑顔で言ってくれたんだ。

 初めてできた友人だった。裏表がなくて、いつだって明るくて、まるで太陽のような木兎さん。

 下の名前が【光太郎】だと知ったとき、なんて彼にピッタリなんだろう、って感心したことをよく覚えてる。

 そんな、俺にとって特別な場所で、出会ったのが彼女だった。

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