第17章 xxx ending √2:KEIJI
正常位で繋がって、互いを見つめて、唇を寄せあう。京治さんに開かれたナカが熱い。触れあう肌が熱い。
何より、彼の視線が、熱い。
「カオリ、……っ俺、」
彼はそこで言い淀んで、まつげを伏せた。腰の律動は止まないまま。京治さんが唇を噛む。
ぐちゅっ ぬちゅ
ひとつになったところから聞こえる水音。卑猥なそれが、思考の邪魔をする。
きっと、彼は何かを伝えようとしてるのに、快感が邪魔して真意を読みとることが出来ない。
「……っ愛してる、カオリ」
ほら、また濁した。
もどかしい。
考えたいのに考えられない。子宮はすでに収縮を始めてるし、オーガズムがすぐそこまで迫ってる。悦楽で溶かされた脳は、ちっとも使いモノにならない。
「あ、ぁっ、……イッ、ちゃう」
「……いいよ、おいで」
「あっ、ああっ、ん──……!」
私が達するタイミングに合わせて、京治さんは一層律動の速度をあげた。
腰を折って私を抱き、上半身を密着させて、キスをする。くぐもる嬌声。苦しい。でも、きもちいい。
果てたことによってナカが締まる。
すると、彼は瞳を潤ませて「……俺も」と甘ったるい声を漏らした。ググッ、一番深いところに埋めこまれる。
「……っ、は、ぁ……ッ」
膣内で感じる痙攣。
京治さんの吐露した白濁が、うすい膜の先端に溜まっていく。
陰茎を抜かぬまま抱き合って、どのくらいの時間が過ぎただろう。ふ、と肌に感じていた熱が失われた。
閉じていた目を開ける。
身体を離して微笑む彼。息はまだ少し上がってる。だけど、そこにあるのは見慣れた冷笑だ。
「かわいかったよ、カオリ」
普段通りの声音でそう言って。
彼は、笑う。余裕たっぷりに。
ああ、いつもの京治さんだ。なんとなく安堵してしまった。その安堵が、たったひとときの幻だなんて。
──このときの私は知る由もなくて。