第17章 xxx ending √2:KEIJI
彼の腕が私を捕らえたのは、その直後のことだった。腰を抱き寄せられて、反対の手でうなじを押さえられて、身動きがとれなくなる。
「ん、ふっ、……!」
激しいキス。息が、できない。
唇をこじ開けて彼の舌が入ってくる。応える暇すら与えてはもらえない。呼吸を、理性を、奪われる。捕食するような口付け。
ぴたりと合わさるのは互いの性器だ。
熱をあげた京治さんのそこ。しとどに濡れた私自身。キスの角度を変えるたびに、ぬるり、擦れる感覚が背筋を痺れさせる。
「カオリ、……カオリ」
甘えるように。縋るように。
彼が、私の名前を呼ぶから。
「……っ、……京、治……ぃ」
私も同じように彼の名を囁いた。
その刹那、はた、と京治さんがキスを止める。一拍、二拍、無言の間がつづく。それから彼は、強く目を閉じた。
どうして、だろ。
すごく辛そうな顔に見える。心臓を圧迫する違和感。なんて言うんだっけこういうの。ああ、胸騒ぎ、だ。
「京治さん、……私、何か」
悪いこと言っちゃいましたか。
そう問おうとしたのだが、しかし、それは叶わなかった。突如として身体を襲う浮遊感。肌を震えさせる冷気。
抱きあげられたのだ。
しかも、彼は濡れた身体もそのままに、バスルームを出てしまう。湯気がドアから溢れだして、脱衣所の鏡を曇らせる。