第17章 xxx ending √2:KEIJI
欲してしまえばあとは、貪るだけ。
質量を増した竿を入念に洗うと、それはさらに硬くなる。尿道に泡が入ってしまわないように。慎重に。根元を中心に手を滑らせた。
ぽってりと膨らんだ亀頭。
ピンク、いやらしい色艶。
シャワーの栓をひねってお湯をだす。温度を34℃前後にして、人肌に近づける。
直接当ててしまうと痛いから。シャワーの頭に手を添えて、水の勢いを緩めて、泡だらけの彼にかけていった。
「…………は、ぁ」
彼の深いところから吐息が漏れる。
京治さんは、切なげに眉根を寄せていた。バスルームの鏡は少し曇っているけれど、それでも分かる。欲情してる顔。
もっと触って。もっと、もっと。
言葉にされなくても伝わってくる。京治さんの吐息、視線、物欲しげな唇。それはぜんぶ意思表示。
ちょうだい。そう訴えてる。
「京治さん、……キスしていい?」
敢えて、聞いてみた。
どうやら私も熱気に当てられたらしい。頬が、身体が、腰が、火照る。疼く。私もあなたが欲しいの。キスしたい。
バスチェアに腰かける京治さんの太腿。引き締まったそこに跨って、色っぽい首筋に腕を回して、彼と正面から向きあう。
「…………だめ?」
濃緑の瞳をジッと覗きこんだ。
彼はまだ答えない。
忙しく上下する筋肉質な胸板。それが段々緩やかになって、京治さんが息を整える。ふっ、と観念したような吐息が聞こえたのは、気のせいだろうか。
「やっぱり、好きだ……お前のこと」
「……京治さん?」
「泣きたくなるくらい、好き」