第17章 xxx ending √2:KEIJI
おずおずと触れる、彼の背中。
改めて見るそれは、溜息が出るほど美しい。凛として風切羽を広げる姿。澄んだ瞳に宿る獰猛さ。
よく似てる。京治さんに。
「……きもちいいですか?」
彼の肌を傷つけないようにと、泡を纏わせた素手で洗いあげる。そっと問えば、返ってくるのは優しい声。
「ん、気持ち良いよ」
「そう、……よかった」
「こっちも洗って?」
腰付近に滑らせていた手を掴まれる。
そのまま前方に誘導されて、感じる、彼の下生えの感触。
ドクッ
心臓の拍動する音がした。
息がヒュ、と苦しくなる。これまで幾人もの客を相手にしてきたし、男性の陰部を洗うのは仕事の一環だった。確かにそうだったけれど。
「……し、失礼、します」
これ、プライベートでやるの、すっごく恥ずかしい。しかも相手が京治さん。だ、駄目だ、麗しすぎて直視できない。
内心パニックだった。
それでもどうにか冷静を装って、手を動かす。掌で下生えを揉みこんで泡を立てる。それが充分に泡立ったら、次は陰茎だ。
ほどよい大きさ。
キレイなかたち。
色も肌とそんなに違わない。経験がそれほど多くない証拠。こう言ったら失礼かもしれないけど、ちょっと、意外だった。
だって、京治さんモテるだろうし。
「……っ、くすぐ、ったい」
根元から先端にかけて手を這わせると、彼がもどかしそうに腰を引いた。
照れたような目元。
頬がほんのり赤くなっている。バスルームの熱気に当てられたのか、それとも、徐々に硬くなっている肉欲のせいなのか。
それは定かではないけれど。