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(R18) Moulin Rouge (HQ)

第17章  xxx ending √2:KEIJI



「カオリー……俺、寂しか、っうう」

 ひーん、と小さく喉を鳴らす光太郎。

 普段は騒音レベルでうるさいくせに、泣くときはこんなにも静かだなんて。放っとくワケにはいかないじゃない。

「泣きすぎ、ほら、もう泣かない」

 よしよし。頭を撫でる。
 ポフポフ。背中を叩く。

 身体を丸めて私に抱きつく光太郎は、相変わらず大きくて、懐かしい匂いがした。オウルの店内で焚いてるお香だ。なんだか安心する。

「マジで二度と会えないかと思った」

「大袈裟だよ……同じ町にいるのに」

 やっと落ちついた彼が鼻を啜る。身体を離して、お互いをジッと見つめる。こうして顔を合わせるのは、イーグルに引き抜かれた夜以来だ。


「また会えてよかった!」

 へへっ、彼が笑った。


 ああ、光太郎だ。よかった。何も変わってない。──ちゃんと光太郎だね。

 京治さんの「ちゃんと」の意味が、やっと理解できた。


「感動の再会は済みましたか?」


 まるで狙いすましたかのように。

 クレーンゲームの影から京治さんが現れた。戻ってきた彼は、その腕に、不気味な金魚のぬいぐるみを抱いている。しかも巨大だ。

「どうしたんですか、それ」

「取った。カオリに似てたから」

 はいどうぞ、と胸に押しつけられる人形。ぶらさがったタグには【金魚草がついにヌイグルミ化!】と書かれている。

 いや、あの、プレゼントは嬉しいんですけど、なんで絶叫顔なのこの金魚。怖い。顔が。呪われそうだ。


「私に、似、て……あはは」


 京治さんの目には私がこう見えてるんですかね。このショックから立ち直るには、たぶん、相当時間がかかると思う。

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