第17章 xxx ending √2:KEIJI
ここは、光太郎が普段からよく遊んでいるゲーセンらしかった。京治さんはそれを知っていたのか。そして彼は、本当にスポンサーを捜しに行っていたのか。
それは、どちらも謎のままだけど。
「ぎゃー!負けたー!」
「また俺の勝ちですね」
YOU WIN!
液晶にそんな文字が躍る。
二人はガンシューティングゲームに夢中になっていた。結果は京治さんの全戦全勝。光太郎は全く歯が立たないらしい。
そりゃそうだろう、と思う。
「ゲーム用の銃はいいですね。いちいち弾を装填しなくてもいいし、軽くて扱いやすい」
彼は【本職】の方なのだから。
「京治くん……それ、爽やかに言うことじゃないからね。怖いよ。その笑顔が逆に怖い」
一歩引いたところから光太郎が言う。しかし、京治さんはまるで聞いていない。
その視線はアーケードゲームに向けられていた。バスケの得点を競うタイプのやつだ。
「次はあれなんてどうですか」
「よーし!受けて立ァァつ!」
喫煙者用に設置されたベンチに腰かけて、ジャンケンする彼らを眺める。先攻後攻を決めているらしい。
なんか、いいなあ。
男の子って感じだ。
スッ、とボールを構える京治さん。フォームが非常に美しい。バスケ経験者、なのかな。それに引き替え光太郎ときたら──
お、や?
幻覚でも見てるのだろうか。
光太郎のシュートフォームはすごく、すごく、綺麗だった。あれ、なんか今、シャララッて幻聴が聞こえたような。
「ヘイヘイヘーイ!俺、最強ー!」
勝者はまさかの光太郎。
ビックリしたのは京治さんも同じらしい。光太郎の意外な一面に、私たちは、ただただ驚くばかりだった。