第16章 xxx ending √1:TORU
快感を必死に受けとめる身体。
真一文字に結んだ唇にキスして、髪を撫でて、もう一度キスをした。
「イッちゃったね」
「ん、……ごめん、私だけ」
なんだって。
なんだって。
大事なことなので二回言いました。いや何度でも言うよ。なんだって。今、この子、なんて言った?
「え、……私だけ、って」
「先にイッちゃってごめんね」
やられた。もうダメだ。
人生二十数年、生きてきた中で一番我慢した。俺は我慢しました。理性という理性を総結集させて、俺の、俺を、抑えてたつもりだったけど。
プッツンだ。もう我慢できない。
「最後まで抱いていいの?」
カオリの瞳を覗きこんで問う。
唇はすでに触れていて、甘い吐息が彼女から香る。答えをくれるカオリ。小さく頷く仕草はどんな女よりも可愛らしい。いや、比べる対象すらいない。
ストン
何かが、こころが、堕ちた。
「絶対、……優しくする」
言いながら彼女の背に両腕を回して、ぴたり、全身を密着させる。
魂ごと捧げるようなキス。
絡める舌をひとつにして。
俺の全部をあげる。重たいって思われてもいい。カオリの全部を愛してあげたい。
「んん、ん……は、ぁ」
彼女の瞳がトロン、として、琥珀色に溶けた。色素の薄い虹彩。なんて綺麗なんだろう。
そのままキスを繰りかえす。
しばらくそうしていると、疼きを取り戻したのか、カオリの太腿がモジモジと動きはじめた。