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(R18) Moulin Rouge (HQ)

第16章 xxx ending √1:TORU



「徹くんてさ、体温高いでしょ」

「え……?」

「だって、ほら、すごくあったかい」

 目はフライパンに向けたまま。
 カオリは腕を伸ばして、俺の頬に触れた。冷たい手。まるで氷みたい。

「末端冷え性なのね、私」

「そ、う……なんだ」

「だからこうしてると心地いいの」

 人間ホッカイロ。なんちゃって。そうおどけてみせる彼女の言葉を、最後まで聞く余裕なんて、なかった。

 一気にきもちが溢れだす。

 カオリに触れたい。カオリに優しくしたい。カオリに喜んでほしい。カオリがうれしい、心地いい、って思うこと。

 ぜんぶぜんぶ、してあげたい。


「カオリ……っ」


 切羽詰まった声で囁いて、柄にもなく、雰囲気とか無視してキッチンで彼女にキスをする。

 菜箸を握る細い指。
 冷たくて愛しい手。

 俺の掌で包みこんで、温めて、熱を分けあう。共有する。

 重なる唇は狂おしく甘い。
 柔肌にふっくらと実ったリップに口付けを。食むよう啄んで。角度を変えて。数えきれないくらい。

「ん、ぅ……っ」

 おそるおそる、舌を入れてみた。

 彼女から可愛らしい声が漏れる。よかった。怒られなかった。拒絶も、してない、よね。

 カオリの反応を伺うように。
 ぺろ、と彼女の熟れた舌を舐める。あむ、と甘噛みしてみる。これもお咎めなし。

 とくん
 とくん

 鼓動のテンポがあがっていく。

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