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(R18) Moulin Rouge (HQ)

第16章 xxx ending √1:TORU



 ふわり ふわり

 こじんまりとしたバスルームに浮かぶシャボン玉。熱いお湯を浴びると、ピリリ、肌に刺すような痛みを感じる。

 身体中にできた痣。
 鏡に映る自分は、目も当てられないようなヒドイ姿だった。

「……当然の報い、だよね」

 こうして、俺がまだ生きていること自体、奇跡なのだ。そして、それは同時に罪でもある。

 多くを奪って生きてきた。
 たくさん、傷付けてきた。

 自分が傷ついたから。自分がツライ思いをしたから。だから、もう自分が傷付くのは嫌だから、他人を傷付けてきた。

 ことさら【女性】という生き物には冷たくして、もう二度と、母親の亡霊が蘇りませんようにって。そうやって自分を守ってきた。

 そんなの間違ってるのにね。

 何もかも自分で壊したくせに、死ぬよりも辛い拷問を受けて、それでやっと気付いたんだ。【他人(ひと)の痛み】ってやつに。

 心底、俺は愚かしい人間だと思う。





『ひとりじゃないよ』





 こんな俺でも、まだ、誰かを幸せにできるだろうか。その資格はあるのだろうか。





『私がいる。ここにいる。』





 俺の過去を。
 俺の、罪を。

 すべてを受け入れて、許してくれた、彼女のために。俺は、──何ができるのだろう。

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