第4章 xxx 03.新規一名
「お兄さん、オプションは
何かつけたりしますか?」
「いや……ううん、普通で
いいんだけど、その……」
「?」
ベッドに寝ころんで本格的なプレイを開始する前に、オプションメニューを見せていた私。照れくさそうに言い淀む爽やかくん。
「どうしました?」
「う、いや……その」
なにか言いたいことがあるんだろうけど、なかなか口を開こうとしない。
華奢に見えて触ってみると硬い胸板。
鎖骨の下あたりに、涙ぼくろよりも一回り小さなそれを見つけて、そっとそこへ唇を落とした。
「おねだり、して?」
「……っ本当に、いいの?」
「マリンにできることなら
何でも言うとおりにするよ」
ちょっと沈黙。……わざとらしすぎたかな。そんな心配が頭をよぎったんだけど、どうやらそれは杞憂だったらしい。
「孝支……って、名前」
「なまえ?」
「名前呼んでほしい。その……お兄さん、じゃなくて、孝支って……呼んでくれる?」
こりゃ参った。
そんな甘い声で、そんなかわいいおねだり。一瞬本気でお客さんのペースに呑まれかけて、そんな自分に小さく嘆息した。