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(R18) Moulin Rouge (HQ)

第16章 xxx ending √1:TORU



 ひとつひとつ、話をした。

 徹くんと出会った日のこと。私がこの町にきた理由。岩泉さんに抱いたキモチ。白鳥沢組との関わり。ここに至るまでの経緯。

 そして、今朝、不正出血があったこと。それが避妊薬の効果を示すサインだということも、すべて、彼に伝えていく。

 彼もまた、言の葉を紡いだ。

 徹くんと出会った日のこと。彼らが追いかけた夢。私に抱いてくれたキモチ。友と、恋と、仕事と、その狭間で悩み苦しんだこと。

 そして、彼が選んだのは【何も選ばない】ことだった。

 自分が徹くんをこの世界に縛りつけた。自分が恋をしたせいで私を傷付けてしまった。自分がこの町にいる限り、また、同じことを繰り返してしまう。

 だから、あの町から出ていこうと思った。徹くんにも、私にも、もう二度と会わないつもりだった、と。

 悲しげにそう語ったのだ。

「まあ……結局、最悪な事態になっちまって、……お前にまで辛い経験させた。謝っても謝りきれねえ」

「いえ、私こそ、後先考えずに行動したから……本当にごめんなさい」

 そっと、そっと。

 岩泉さんの手がおへその下辺りに触れる。その上から自分の掌を重ねて、ゆっくりと、瞼を閉じる。



「別の場所で、……出会いたかった」



 最後に聞いた彼の声はひどく震えていて、でも、すごく、すごく優しい響きだった。

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