第14章 extra xxx 002
廃業したキャバレーは仄暗く、人目を避けるのには売ってつけの場所だった。
カビ臭いソファに腰かける川西は、男性器を模した玩具を手中で弄んでいる。
彼はやおら立ち上がって言った。
「よう及川、お前、知ってるか」
卑猥な形のそれをスイッチオンにすると、低い振動音があたりに響く。
「二ヶ月前に泡嬢が首吊って死んだ事件。遺書がトオルって文字で埋め尽くされてたらしいぜ。気色悪いよなァ……でも、あれ、俺の妹なんだわ」
川西の声に抑揚はない。
彼は、眉ひとつ、ピクリとも動かさずに行動する。震えるバイブを及川のうしろに当てがうと、躊躇することなく一気に奥までねじ込んだ。
「ひ、っ、ああああっ!!!」
後孔が裂けるような痛みに絶叫する及川。開脚したままになるよう太股をロープで縛られて、両手首を背中側で拘束されている。
カオリがそうされたように。
岩泉がそうされたように。
及川徹もまた、衣服をすべて剥ぎとられた状態で、件のドラッグを服用させられていた。
「お前が死ねばいいのにね」
「あっ、ぐ、ハァッ……ああ、っ」
「まあ死んだらつまらないけど」