• テキストサイズ

(R18) Moulin Rouge (HQ)

第14章 extra xxx 002



 赤葦を待ち受けていたのは、思わず目を覆いたくなるような光景だった。

「カオリ……っ!!」

 彼はまず一目散にカオリの元へと駆け寄り、茫然自失としてうつむく彼女を抱き締める。

 下着も身につけずに、ただ、その身を震わせる最愛の女性(ひと)。その下肢から漏れる白濁を見て、赤葦は、心臓が強く拍動するのを感じた。

 ドクンッ

 比喩でも何でもなく、事実。

 一瞬にして身体中の血液が熱くなっていく。同時に、ココロが氷のように冷たくなっていく。


「……殺してやる」
 無意識に呟いていた。 


 その言葉に弾かれるようにして、カオリがハッ、と顔を上げる。

 怯え。混乱。安堵。
 ころころと表情を変えた彼女は最後に瞳を潤ませて、しかし、決して泣くことはしない。

「……岩、泉さんが、」

 イワイズミ?
 赤葦は心中でカオリの言葉を反芻する。

 聞き覚えのあるその名について考える暇もなく、今度は、カオリの視線がベッドに向けられていることに気が付いた。

 彼女の視線に導かれた先。

 豪勢な羽毛布団に埋もれて、人間の、しかも男の横顔のようなモノが見える。

/ 254ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp