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(R18) Moulin Rouge (HQ)

第14章 extra xxx 002



 画面には【川西太一】の文字。

 着信がカオリからでないことに些か落胆した赤葦だったが、すぐさま通話ボタンを押してスマホを耳に当てた。


『見つかったぞ』


 川西が告げたのはたった一言。

 しかし、今の赤葦にとっては充分すぎる一言だった。問題は見つかったのが、トオルなのか、カオリなのか。


「どっちですか」

『トオルだ。こいつ、どうする?』

「そうですね……じゃあ、死ぬより辛い目に。あとは太一さんにお任せします」

『わかった』


 そこでプツリと通話は途絶えた。

 直後、今度は無料通話アプリの通知音が鳴って、川西とのトーク画面に未読の印が点灯する。


【公園前タワーホテル4101号室】


 その文字列を見た瞬間。

 赤葦は、早朝の通勤客とは逆方向にロータリーを回り、待機中のタクシーを一台捕まえた。

 あくびをする運転手の胸倉に掴みかからん勢いで詰め寄り、とある五ツ星ホテルの名を叫ぶ。

 盲点だった。
 カオリは、イーグルを構えるホテルの、目と鼻の先にある姉妹店に監禁されていたのだ。

「及川……!」

 全く、姑息なことをやってくれる。

 今頃どこかで制裁を受けているであろう及川の顔を思い浮かべて、彼はギリ、と奥歯を噛みしめた。

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