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(R18) Moulin Rouge (HQ)

第14章 extra xxx 002



 もうやめて。お願いだから。

 縋るような想いで及川徹を見上げるが、しかし、やはりそれは無駄な行為でしかないらしい。

「……っん、う、ああっ!」

 肩を押さえつけられる。そのまま腰を下ろすように強要される。精液と愛液でぐちゃぐちゃになった陰茎が、再び奥深くに挿入される。

 痛い。痛い。痛い。

 挿入を繰りかえしたことで擦れた膣口が痛い。意思のない射精を受け止めつづける子宮が痛い。

 結果的に岩泉さんを傷つけてしまっているこの事実が、何よりも、痛い。

「ひっ、あ、……っ、また、出ちゃ、ん……──ッ!!!」

 強制された射精は拷問だ。

 永続的に与えられる刺激はもはや苦痛でしかなく、その証拠に、岩泉さんの眦からは涙が溢れている。

 震える身体。細くなっていく息。

 クスリの影響なのか、渇ききった気管がヒューヒューと音を立てているし、彼には今すぐ安静が必要だ。そんなこと火を見るより明らかなのに──

「……っ死んじゃうよ!?」

 気付けば叫んでいた。

「このままじゃ、岩泉さんが、……っお願い、もう、やめて……!」

 及川徹の美しい顔が歪んでいく。

 浮かぶのは明白な憎悪。
 そして、強烈な殺意だ。

 凄惨な暴力が脳裏を過ぎる。
 殴られるか、蹴られるか、はたまた本当に殺されてしまうか。

 及川徹という狂気の逆鱗に触れたのだ。命を奪われても何らおかしくはない。

 きつく瞼を閉じる。

 受けるであろう何らかの【痛み】に備えて覚悟を決めたのだが、しかし、いつまで経ってもそれは襲ってこなかった。


「……さようなら」


 ぽつりと彼が残した言葉。
 ひどく震えた別れの言葉。

 そっと瞼を開いたときには、もう、及川徹は姿を消していた。

 パタン

 ドアが閉まる、──寂しげな音。


 *


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