第14章 extra xxx 002
『嘘、でしょ……本当にKEI?』
『何か文句でもあんの』
『い、いえ、滅相もありません』
カオリの初めての客にと、赤葦が用意したのは【KEI】という少年だった。
モデルとして第一線で活躍する彼は所謂【毒舌キャラ】というやつで、最近ではテレビへの露出も増えてきている有名人である。
『アンタが新しい性欲処理係か……いいよ、相手してあげる。全然タイプじゃないけど、まあ、そこそこ可愛いし』
『あ、あはは……プライベートまで毒舌だなんてすごい気合いの入りようですね。さすが、プロは違うなあ』
『は? 本心だけど?』
このときのカオリがショックのあまり白目を向きそうになっていたのは、まあ、置いておくとして。
ナイトイーグルは各界の著名人がお忍びで通うソープランドである。
芸能人だって、スポーツ選手だって、政治家だって、男であれば溜まるモンは溜まるのだ。
しかし、著名人の床事情にはしがらみとスキャンダルが付きモノ。そんな彼らに【安全安心】なセックスの場を提供するのが高級風俗店の役割なのである。
『前戯とかないから自分で慣らしてネ』
『あ、はい、……では失礼します』
『言っとくけどキスはしないよ。それから生も中出しもお断り。キスマークとか付けたらマジでブッ殺すから』
これでもかと注文をつけるワガママモデルの言いっぷりに、カオリが、ついに白目を向いたのは言うまでもない。