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(R18) Moulin Rouge (HQ)

第3章 xxx 02.及川徹



 ずるずると首根っこを掴まれて去っていく徹くん。「俺また会いにくるからねええ」ちょっとずつ遠くなる彼は、懸命に手を振りつづけている。

 それを光太郎と並んで見送る私は、若干げっそりとした顔で嘆息した。

「……何だったの彼ら」

「ホストだよ。あ、岩泉くんは
俺とおなじ黒服ね。わかる?」

「黒服、って、ボーイだよね」

「そ。ウェイターとも言うな。
俺なんかはほぼ雑用係だけど、
岩泉くんはホストの管理なんかも
任されてる、えっと、えらい人!」

「ふうん。光太郎の説明って
色んな意味でわかりやすいね」

「嫌味だろそれ」

「違いますヨー」

 私は徹くんが曲がっていった角のあたりを眺めて、さっきまでのことを思い出していた。「本番してもいいよ」彼はそう言ってたけど──

「言っとくけどうちは
客との本番禁止だから」

「……ですよね」

「あと、及川は可愛い子見ると
すぐ食って自分の客にしようと
するから、気をつけなきゃダメ」

「はい光太郎センセイ」

「茶化すな。一応心配してんだぞ」
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