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(R18) Moulin Rouge (HQ)

第12章 xxx 11.幽閉



 彼はなんて答えるのだろう。

 恐る恐る赤葦さんを伺いみて、その視線が私に向けられていることを知る。口元には妖しげな微笑。これは、良からぬことを考えている顔だ。

「そうだよ。俺のお気に入り」

 予感は見事に的中。
 赤葦さんは私の腰を抱き寄せて、ネグリジェの上から指先を這わせてみせる。

 シルクのベビードール。彼の冷笑に似たブルーのそれが、腹部から胸にかけて捲りあげられた。


「見ていく? 今からもっと凄いこと、するけど」


 ボンッ、という幻聴が聞こえて、夕くんの顔が火を噴いた。煙の錯覚すら見える気がする。

 燃える夕陽よりも赤くなった彼はアワアワと、口と手足を動かして忙しなく動いた。

「あ、いやっ、その!見たいスけど!でも見ちゃいけねえ気がするっていうか!めっちゃ見たいスけど! あ、これ注文の品、ここに置いときますね! 会計は光ちゃんに渡してくれれば月末に振込まれるんで!」

 ものすごい長台詞。そして、早口。
 舞台俳優も羨む滑舌の良さである。

「そんじゃ失礼しました!!!」

 子どもは風の子、脱兎の如し。
 地面に頭をぶつける勢いでお辞儀した夕くんは、超特急で部屋を出ていった。

 ドンガラガッシャーン!
 ………転けたよね、今。

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