第12章 xxx 11.幽閉
「京治くんお久しぶりじゃないスかー! 元気してました? あ、俺はもちろん元気っすよ!」
「声がデカいよ、夕」
「あっ! サーセン!!!」
光太郎と似たあれを感じるね。うむ。
秋の終わりを感じさせる今日この頃。
夕と呼ばれた少年は半袖姿で、しかも、そのティシャツには【年中常夏】という文字が印刷されていた。冬将軍も真っ青である。
彼が小脇に抱えるヘルメットには【Deli CROWS】のステッカー。この界隈でケータリングと言えばCROWSなのだと、赤葦さんが教えてくれた。
なんでもそこの店長が料理上手で評判なんだとか。
「武田くんは元気?」
「おかげさまで! 今日もあちこちから注文入って泡吹いてますよ!」
ガッハッハ!と豪快に笑ってみせる夕くん。そんな彼と、ふと、目が合った。
「…………」
「…………」
ガン見である。超、ガン見だ。
ななななんだろう私の顔に何かついてるのかな。見過ぎだよ。超見られてるよ。見られすぎて穴が!穴があく!
「京治くんのコレっすか?」
大真面目な顔をして小指を立てた彼。
鼻息荒いし頬は紅潮してるし、一体、なにを想像しているんだろうか。
十中八九、ナニだろうけれども。