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(R18) Moulin Rouge (HQ)

第3章 xxx 02.及川徹



「もうちょっと右」

「はい」

「もっと強く」

「……ハイ」

 何このコキ使われてる感。
 まったくもって釈然としない。でも、まあ、奉仕をしなくても時給は発生してるので良しとする。

「あの、オイカワさん」

「徹でいいよ」

「じゃあトオル」

「いきなり呼び捨て!?」

 んんんめんどくさい。
 じゃあもうなんて呼べばいいんだ。トオルくん?トオルちゃん?トオルさま?自分で徹でいいって言ったくせにもう!

「ええと、徹くん」

「はい何でしょう」

「もうお時間デスヨ」

 あと数秒で00:00になりそうな──サクランボ型なのはギャグなんだろうか、キッチンによくあるタイマーを指さした。

 及川徹、改め、徹くんは「えっもうこんな時間!?」と飛び起きる。なんだか焦っている様子だけど、しかし、彼が部屋を出ていくことは一向に、ない。

「君って話しやすいからさあ、
ついつい時間を忘れちゃったよ」

「はあ……(私ほとんど
黙ってるだけでしたけど)」

「じゃ、これお小遣いね」
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