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【ヘタリア】蒸気と歯車の町【夢小説】

第1章 彼と初めて出会った日の事


Side:Alfred

アーサーの仕事について行ったとき、初めて彼に会ったんだ。
その日、キクは居なくて家で独りなのが嫌でアーサーに駄目元でねだったら、案外上手くいっちゃって…。
最初は地下街に行くって聞いてとても嫌だったんだけど、実際に言ってみたらとてもミステリアスなところだったんだ。
一日中夜みたいで、どこもかしこも真っ暗。
皆煤汚れた服を着ているし、道のど真ん中でも横たわったり大声で歌いだしたりする。
そんな世界に唖然としていると一匹の猫が道端に居るのを見つけて近寄った。
その猫は逃げもせずに俺のほうを見つめてくる。

「リラ。こっち来い」

突然聞こえた声のほうへ向くと一人の少年が立っていた。
リラと呼ばれた猫は少年の足元まで歩いていくと置いてあった荷物を伝って少年の肩へ飛び乗った。
俺よりは年下のようだが、俺のほうを強くにらみつけて猫と一緒に何処かに消えて行った。

「待って!」

「何だよ。ついてくるな」

「君もここに住んでるの?」

「だったらなんだ」

「どうしてこんな暗いところに?地上外で暮らせばいいじゃないか。下町だったら子供でも雇ってくれるところが…」

「お前には関係のないことだろ!下町なんて絶対に暮らしたくない」

突然すさまじい形相で叫んだ彼は俺の後ろを見ては一変してあからさまに怯えた。
どうしたのかと思えば後ろに鋭い眼をしたアーサーが立っている。
あ、そばを離れるなって最初に言われてたんだった…。
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