第1章 第一章
「主、よろしいでしょうか?」
「…入れや…」
主の許しを得たところで四人全員が部屋へと入る。そして一期が襖を閉じると同時に、奥で座している男の元へと二人が歩み寄り。
「主…すまなかった…」
「申し訳ない…」
と世に名前を轟かす宝刀二人が揃って頭を下げた。それに合わせて山姥切達も頭を下げる。
しばらくの間、無言の状態が続いたが、主が吹かしていた煙草を灰皿で潰し、ゆっくりとした足取りで三日月達に近づく。そして、二人の頭を思いっきりグーで叩いた
突然のことに驚き、頭を手で押さえながら二人が顔を上げると、その肩に主が手を廻し、力強く抱き締めた。
「お前ら、もう絶対あげな事したらいけんよ…」
聞き慣れぬ方言で主がそう二人に言った。だが当の二人は現在の展開に付いていけず、目を白黒させるばかりだった。
「おい、てめぇら聞こえなかったのか!?」
「あ…あぁ もう二度とせぬ」
「俺も、二度とやらねぇよ」
「…そうか、ほんならもうええわ。」
三日月と鶴丸が二度としない、と誓うと、最後に主は優しく二人の頭を撫で、元の席へと戻った。