第3章 3章
三日月宗近
主の訳のわからぬ話で夜を明かした三日月はどこか不機嫌であった。
「おい、三日月や。生きてるかい?」
「鶴や、耳元で叫ぶな、煩いぞ。」
朝餉を終え、何もせず机に伏せていると鶴丸の快活な声が耳朶に響いた。
「いゃあ悪いな。てっきり死んじまってるのかと思ったよ。」
カラカラと鶴丸が笑う。
「なんだ、ジジイをからかいに来ただけか?ならさっさと…」
「ジジイはお互い様だろう。それに今日はそんな話しをしにきたんじゃねぇんだよ」
ここで、鶴丸が顔をズイと三日月の顔によせた。
「我らの愛しい蛍ちゃんの事だ」