第1章 第一章
「はぁ、本気で主を怒らせてしまいましたね。」
冷え固まった空気の中で一期が呟いた。
「みんなで謝りに、行きましょうか」
「おい…おれは嫌だぞ」
一期の提案に山姥切は真っ先に反対した。鶴丸と三日月が勝手に争っていたのになぜ、自分が謝りに行かないといけないのだ。
「でも山姥切さん」
冗談じゃない。と腹を立てている山姥切に蛍丸が言った。
「三日月さん達を止めなかった蛍達も悪い、って思うんだ。だって主さんが止めてくれなかったらどっちかが死んでたかもしれないし…だ、だから未然に防げなかった蛍達にも…責任が…」
「分かった、分かった俺も謝りに行こう。」
「本当!?」
山姥切が提案を受け入れた瞬間、蛍丸の顔がパッと輝いた。
「やはり、可愛い…」
こんな時に不謹慎ではあるが、思わずそう思ってしまった。