第1章 第一章
頭に血が昇って無意識に昔のことが脳裏をよぎり、いろいろ思い出してしまった。そのせいか怒りの波もいつの間にか引いていた。
こうなってしまってはもう、怒る気にはなれない。「はぁぁ」と盛大に溜め息を吐くと、三振の前に座り、彼らと目線を合わせる。
「お前らが蛍丸が大好きなのはよく分かった。だけどな、それで一々騒がれると困るんだよ」
「…はい」
「声が小せぇんだバカヤロォ!!」
声の小さい三振に一喝すると漸く「「「はい!!」」」と室内の空気を震わせる返事をした。それくらいは普通にせぇや。
「とにかく部屋の件はだなぁ… そうだなぁ。よし!お前ら三人供を蛍丸と同室にしよう!」
「ほ、本当か!?」
俺が言い終わると同時に鶴丸が嬉々とした声を上げたが、「だけど」と言葉を繋げる。
「監視係として俺と一期も同じ部屋で暫くは寝るからな!!」