第1章 第一章
「急にどうした、山姥切?」
「ちょっと相談があってな」
そう言うと山姥切はおにぎりを四~五個持ちながら隣に腰を下ろした。
今日も金髪が一段と美しい彼は自分の初期刀であり、この本丸の中で一番信頼を寄せている刀でもある。
「で、本当にどうした山姥切?戦場で何かあったのか?」
彼がおにぎりを全て食べ終え、一息ついているところでもう一度聞く。すると山姥切が急に真剣な顔になる。久しぶりにこの様な顔を見せる初期刀に事の重大さを感じた。
「主、俺を蛍丸と同じ部屋にしてほしいんだ」
「はぁ?」
「聞こえなかったのか?俺と蛍丸を同室にしてほしいと言っているんだ」
なんだ、そんなことか。(…くだらねぇとも) 思った瞬間、鶴丸と三日月が此方に飛んできた。
「おい、山姥切。抜け駆けは無しだぜ」
「うむ、鶴の言うとおりだ。それに俺も蛍と同室がいいぞ」