第7章 プラトニックなの
そりゃ応援はしたい。
木兎が誰のことを好きになろうが、たとえ、それが妹でも。
「俺はお前に頑張れって言うよ」
でも、それだけじゃダメだ。
春高を控えてるこの時期に、恋愛沙汰でチームがギクシャクするなんて。それはさすがに許せない。
「ただ、赤葦とちゃんと話せ」
かおりちゃんにキレちゃう前にそうすべきだったんじゃね?
そう付け加えると、木兎は「うぐ」と変な声で呻いて、それから頭を垂れた。
「……ごもっともデス」
縮こまるデカい身体。
叱られた子犬みたい。
こいつ、こんなに小さかったっけか。
「まあ、そう気負うなや! いや、気負うよな……泣いてスッキリするなら気が済むまで付き合うぜ」
「ぶええ、アッキィィ……! 俺、いまのお前になら抱かれてもいいっ……!」
「全力で丁重にお断るし、アッキィとか気色悪いし、つーか鼻水拭けよお前」
「鼻水じゃねえ!涙だ!」
「どっちでもいいっつの!ひっつくな気持ちワリィ!」